11月15日
秘境添乗員、金子貴一氏と行くマニアック・ツアー。
昨年の出雲大社のお祭りに続き、今年は同じ島根県のさらにディープなお神楽を見に行くと言うのでまた参加させてもらった。
いつものごとく現地集合なのでお昼の飛行機で米子空港へ。
すぐ近くの出雲空港はJLだけ、こちらはANAだけの就航と棲み分け(?)ができているが、1時間も離れていないところに空港が2つって、なんだかなあ。
そして出雲が「縁結び空港」なら、米子は「鬼太郎空港」。
というわけで
荷物台には目玉おやじがまわっているし、鬼太郎は飛行機にまたがっているしで、空港中キャラクターだらけ。
到着早々、同行のお姉さま方と空港内で腹ごしらえ。
もろもろついて750円は安い、なんて喜んでのんびりし、さてタクシーに乗ろうと外に出ると人っ子一人いない。地方では、タクシーは待っているもの、なんて思うのが間違いなのだ。
配車をお願いしたタクシーで向かったのは米子空港から10分ほどの「アジア博物館」

広い敷地に立派な長屋門が建ち、その奥にも立派な建物がいくつも並んでいる。
木立の中を縫う順路に従って見て行くとまずは染織工房棟。

藍染めの釜や織機が並び、予約をすれば体験もできるらしい。
その隣にはかすり館というのがあって、日本各地のかすりが展示されている。
それというのもこのエリアには「弓浜絣」という鳥取県の無形文化財があるから。
茶綿で縞や格子を表し、その中にかすりでめでたい文様などを織り出した布はとても手が込んでいてきれい。コレクションも地味ながら見事だが、残念ながら写真撮影は禁止。
さらに隣には「ペルシャ錦館」
こちらにはイランの収集家、ラヒム・アナビアン氏のコレクションが展示されているが、
ペルシャの王族の衣装やら少数民族の衣装、
(収蔵品の写真はカタログから)カシミール産、イラン産の錦織やら刺繍やら、断片でさえうっとりするようなペイズリー文様がいっぱい。
アナビアン・コレクションは2000点もあり、保存をしながら展示替えもしているようだが、惜しむらくは建物の立派さに比べて内部の展示方法には工夫がなく、解説などもあまりないのが非常にもったいない。
私立の博物館ではこれが限界なのだろうか。
ペルシャの隣にはまた唐突に「モンゴル館」があり、中にはチンギス・ハーンの移動の模型やら衣装の展示。さらにその隣には本物のゲルが2棟。

これはモンゴルの首相から寄贈された、普通より立派なものなんだそうな。
そしてゲルの隣には今度は「井上靖記念館」。書斎や応接間が「模倣」され、故人の旅行用品なども展示されている。
シルクロード、中央アジアでつながりそうであまり脈絡のないペルシャ、モンゴル、井上靖。
これをつないでいるのは実はこの博物館を作ったダイニッカと言う会社の会長で、子供のころから好きだったモンゴル、柔道を通じて知り合った井上靖、井上靖からつながった江上波夫経由のペルシャということらしい。
個人の趣味でこれだけの物を作ってしまったのは大したものだが、いかんせんアクセスが悪く、ここに来るのは我々のような物好きだけだろう。平日の午後とて我々以外に見学者は二人だけ、この二人がいるだけでも正直びっくりした。そのためだろう、1993年の開館時には1500円と強気の入場料だったものが今では500円。設備維持の苦労がしのばれる。
見学終了後はとても親切な受付の方にまたタクシーを呼んでもらい、境港の駅へ。

「これは水木しげる記念館ですか」と思わず言ってしまったぐらい駅も電車も妖怪だらけ。

駅前には水木さん本人もいるし、郵便ポストにまで鬼太郎。

売店も当然のことながら妖怪だらけなもので、思わず妖怪トイレット・ペーパーなんて買ってしまった。まだ旅は始まったばかりなのに。
売店には「竹島ものがたり(日の丸つき)」なんてものまであってしゃれがきいているが、こっそり目立たないポスターなのが日本人らしいかも。博物館と移動に思いがけず時間がかかってしまったので境港の見学は駅の売店のみ。
今夜の宿のお迎えが来てしまったが、見ていないと言うと水木しげるロードを通ってくださる。
道沿いの妖怪ブロンズ像は有名だが、街灯まで目玉おやじ。妖怪関連のお店もまだ増えているそうで、街では観光客をリピートさせるための方策をいろいろ考えているとか。
鬼太郎におんぶにだっこの町おこしってどうなんだろう、と来る前は思っていたが、これだけ努力しているところを見ると大したものだと思わざるを得ない。
そんな話を宿のご主人としながら
境水道大橋を渡って島根県に入る。